描きの手順と強弱のバランス

10段階による足し算方式による描きの手順を紹介します。 

自身の絵に足りないものが見つかれば加えることでレベルUPする・・・かもしれません

必要な要素が適量入っていればそれなりに見栄えのいいものができます。

では単純なモチーフで説明します。

step1

まず線画から 床と壁で板目の幅を合わせたほうがいいでしょう

慣れてる人は線画を省略可能。 

仕事だと途中経過・デザインの説明のため必須なこともあります。

step2

ベタで全体に色を入れます。 

これで全体が木材 帯が別の素材と言うのが分かります。

上面を明るくしたりと面のを作っていきます

これで光が上からあることが分ります

step3

背景の奥行きを濃くします。 濃くするときに単純な黒を混ぜると濁りすぎるので少し鮮やかな色や色相を変えた色を使いましょう。このがあることで手前奥を感じさせることができます。逆に言うと

「変化がないと手前奥、左右上下などの面の違いなどを感じさせることができません」

step4

樽にも濃淡をつけましょう。今回のは「上方正面やや右から」 この設定は絵全体に影響するので大切です。 左側が濃くなりますが輪郭の左の縁のほうは奥の反射光の影響でやや明るく今回は部屋の木の壁の反射ですが、何の反射で明るくなるのか、それによって反射の色味も変わるので重要です。帯は少しコントラストを高くして質の違いを出してみました。

step5

背景の面の境を少し強調するため絞りを入れます。

適量入れることで空間も強調されます。

step6

樽自身にを入れてを背景(後ろ)に落とします。

樽も下にいくほどやや暗くしてます

設定で正面やや右上からの光としたのでそれが分かる形になりました。

立体感も強調されます。

step7

樽と背景の違いを出すべく樽の木は背景の木とは色を変えてみます。

右からの光を壁に対してその影響を入れ忘れていたのに気がつきました。

右からの光なので右を向いてる左の壁が明るく左を向いてる右側の壁が暗くなります。気がついたら後からでも修正しましょう

step8

一旦線を非表示にして質感を合成します。よく使うのがモノクロの素材をオーバーレイのレイヤーを上に重ねて利用します。溝に対してうっすらハイライトも加えてます。(基本溝のコピー)重要なのは強弱のバランスで溝のほうが立体なので質感はそれより弱くなるように。ハイライトも強くしすぎないようにレイヤーの不透明度、色などを調節します。

step9

細部の書き込みをします。

物と物との接地部分の縁取り(影)

細かい面の違い、

細かい影(シャドー)や陰(シェード)、

ハイライトを適宜追加していきます。

step10

総仕上げです。

右上の光の描き込み 上面に光の描き込み 

床に映り込み(接地から離れるほど薄く)室内っぽいので影を少しぼかす。必要があれば部分、全体に調整を加えて完成です。

まとめ

作画の基本としてどこから描くか、強弱をどうするかという問題があります。

 

ポラロイドカメラで写すように全体的に構造上大切な部分から描いていくのが一般的です。

pcの場合レイヤの不透明保護という機能があるのでまずベタ塗りするほうが効率がいいことが多いです。

全体がしっかり決まってから細部へ移行していかないと途中では、わずかなズレでも、最終的に大きく狂ってしまうこともあります。

 

 

知覚の問題で、まず存在しているかどうか、 ものがなければないことを表現し、最初に画面全体に色を載せる。手前に複雑なものがあると奥が塗りづらいので奥から塗っていきましょう。

 

・デジタルであればレイヤー分けしておけば手前の物を避けて奥にものを描くという手間もないので奥から描くというのは必須でもなくなりましたが、バランスを考えたら全体的に 奥から描くのは意味があります

 

・次に目立つ色のものかどうか、  全体に色が入ってるので奥から手前にかけて印象をどんどん強くして描いていく

・その次が表面の加工(溝・出っ張り)、 やや細かい造りを追っていく

・最後に質感、の順に  溝・出っ張りなどある場合はそれより目立たないように。

 手前の質感ほど強くして、奥は質感がなくてもいいこともあります。

 

           大      ←重要度→        小

    存在、目立つ色・形のもの、表面の加工(細部)、質感